Dear H.A

You will never don't give up

 From N.F

~あなたは絶対に諦めない~

「これ……」
「私ね……?昔から海斗が好きだったの……」

だから俺には無理だって気持ちでこれを書いたのか?

「でもね……?それは過去形なの……」
「過去形……?」
「私……海斗に告白された時私は最初断ったの……でも海斗の優しさを利用して……春樹に近づこうとしたの……」
「俺に……?」
「でもそれは逆効果……。どんどん春樹遠くなってくし……どんどん海斗を追い詰めて……私二人とも傷つけてるの……」

奈未は目から涙をこぼしていた。

「海で春樹が気持ち伝えてくれた時凄い嬉しかった……だから……私も素直にならないと……ダメなの……」
「奈未……」

奈未は俺の目をしっかりと見る。

「春樹……好き……好きだよ……好きなの……!!私春樹が好き……!!好きなの……好き……」

そう言いながら奈未は俺に体を預けた。

「でも……待ってて……?ちゃんと海斗とけじめつけてくるから……」
「ああ……待ってる。ありがとな?」

俺は奈未の頭をポンポンと撫でた。

「……私喉乾いちゃった……ちょっとジュース買ってくるね?」

奈未は俺から逃げるように自動車販売機に向かった。

そして途中で奈未は何も無いところでコケた。

そんな奈未が可愛くて……今すぐ触れたくて……。

俺はこっそり奈未の後ろに立った。

ジュースを取って振り返った瞬間俺は奈未を抱きしめた。

「え!?……ちょっと!?……ん……」

俺は奈未に優しくキスをした。

「春……樹……ん……んん……」

俺の名前を呼びながら甘い声を出す奈未。

そんな奈未のせいで俺は理性が壊れていく。

どんどん深くなっていくキス。

奈未は思わず手からジュースを落とした。

「奈未……好きだ……」
「ん……春樹……」

近くでセミが鳴いている。

どんどん熱くなる俺達の体温。

それは……もう夏の暑さを遥かに超えている。