「もしかして私がいるからって遠慮してる?」

鋭い目で俺を睨んでくる。

「まぁ……」
「ダメ!!自分がやりたいことは遠慮しないで!!私そういうの一番嫌いなの」
「じゃ……」

俺はここの公園に隠しているボールを取ってバスケの練習を始めた。


しばらくして俺は水分補給をする為にいつの間にか移動して奈未が座っているベンチの元に行く。

「お疲れ様」

俺にタオルを渡してくる。
「ああ……サンキュ……」

俺はそのタオルを受け取って奈未の横に腰を掛けた。

「私ね……昔はお兄ちゃんのドリブルの音が好きだったの……」
「え……?」

いきなり喋り始めたからびっくりした。

「でもね……」

そう言いかけて俺の目を見る。

「今は……春樹のドリブルの音が一番好きなの……」

ードキッ……

消えそうな声でそう言う奈未にドキッとした。

「それとね……?……これ……」

奈未が俺に見せてくるのはさっき買ったネックレス。

「後ろに何彫ったのって聞いてたでしょ?……それ……これ」

奈未がネックレスをひっくり返して後ろを見てみると……。