「ヒッッ!!」

家を出ると海斗がすごい目で睨んでいた。

彼の名前は羽切海斗(はねぎりかいと)。

小さい時から家が隣で幼なじみという関係。

私は彼に恋をしているんだけど……こんなこと誰にも言ったことない……。



「遅い」
「……ごめんなさい……」
「お前さっき起きただろ?」

海斗が軽く口角をあげて笑った。

「えっ!?なんで知ってるの!?」
「お前の叫び声めっちゃ聞こえた」
「えっ!?うそーー!?」

近所はともかく海斗に聞かれてたなんて……。


「あ、やべ……お前寝坊したからバスまで時間ねぇ……おい!!走るぞ!!」

海斗がなんか言ったと思ったらガシッと腕をつかまれた。

「えっ?ちょっ!!待ってよ!!」
 
気づいたら走らされてた。

「はぁ……ねぇ……ちょっと……待ってって……はぁ……」
 
さすがにもう限界……。
 
「うるせーなぁ……お前が寝坊するからだろ?」
「でもそれとこれは違「いいから走れ!!」
 
本当に強引なんだから!!