「そうだったんだ……」

明日咲羅に聞いてみよ。と思った瞬間

「奈未ーゴメン!!帰る…か………」

海斗が教室に入ってきた。

海斗は春樹を見て驚いているのか固まったままだった。

「誰?」

海斗が低い声で私に聞いてきた。

「あー……この人は「赤織春樹」

紹介しようと思ったら春樹が私を遮って自ら海斗に紹介した。

「赤織……知らねーぇなー」
「この辺りでは知られてないと思うよ?で、奈未?この人奈未の彼氏?」

カーテンの後ろにあった台から降りて私に聞く春樹。

「えっ!?彼氏!?そんな風に見える?」

そんな風に春樹には見えていたの!?

それと何だか悲しかった。

……今日の朝は若干嬉しかったのに……

「だってこの人すごい目で睨んでくるし」

海斗を指差す春樹。

「俺睨んでねーよ」

吐き出したように言う海斗。

「えっ!?絶対睨んでた!!俺の女に手を出すな。みたいに」

真面目に話す春樹。

「あー……春樹、海斗は彼氏じゃなくて幼なじみなんだけど」
「えっ!?そうなの!?……ああそういうことか」

なんか納得したように頷く春樹。

「で、彼の名前は?」

春樹が聞いてきた。

「羽切海斗だけど?」

私が答える前に海斗が答えた。

「羽切か……よろしく……大丈夫。キミの邪魔はしないよ」

笑顔で海斗に言う春樹。

「えっ?なにが?」
「奈未には関係ないこと」

むーー…