二重人格神様~金と碧の王~

『約束を守れなくて、ごめんな』

やく、そく?この彼と、わたしは…なにか約束をしたの?

『あ…の…』

『いのり』

『…は…い』

『お前の事…ずっと…おもっている』

『…え?』

『愛してる、とか…そんな言葉じゃ言い表せないくらい…お前が…愛しいよ』


あぁ…そんな事…前にも…あれ、違う…そんな事なかった。私に愛を囁いてくれたのは、たった一人だけ…だ。

『もしかして…海鈴…さん?』
『……』

『そっか…海鈴さんだったんだ』

私、どうして思い出せなかったんだろう。目の前にいるのは、私の大好きな海鈴さんだ。

手を離し、その首に抱きつくと、海鈴さんは一瞬だけ制止し、私を抱きしめ返す。背中にまわる手は、間違いなく海鈴さんだ。

『海鈴さん…』

『……』

『かい…り、さん?』

『あ…あぁ』

『どうして、ここに?わたし、ずっと…何かに苦しめられていたの』

『そうか。もう…終わったんだ。目が覚めれば、身体の具合もよくなっている』

『本当に?もう…あんな…苦しいい思いは…しなくていいの?』

『そうだよ』

よかった…。もっと、もっと触れたかった。抱きつく腕に力を込めれば、海鈴さんはさらに強く私を抱きしめる。