二重人格神様~金と碧の王~

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いのりが眠ったあと、グレンはそっと彼女をベッドに寝かせた。そのまま髪の毛をなで、キスを落とし言う。

「ごめんな…約束は、守れそうにない」

「……」

返答はない。それも、そうだ。グレンが飲ませたのはとても強い睡眠薬。天界で調合された薬で二日は起きないだろう。

その寝顔を見ながら、グレンはつい先ほどの会話を思い出していた。それは、シャカとの会話のこと。



『今から言う事は、少し酷かもしれない…それでもいいのか?』

『…拒否する理由なんて、ない。俺の望みはいのりが生きてくれることだけだ』

『そうか…それなら、言おう…』

グレンは息を飲み込んだ。緊迫する空気の中、シャカはゆっくりと口を開いた。

『いのりを苦しめているのは、恐らく3つの大きな理由がある。うち、一つはさっき言った通り、お前が力を奪っている事だ』

『……っ』

『二つ目は、存じている通り、覚醒したばかりでまだ安定していない。が、しかし、私が感じる限り、安定してもおかしくないほどの時間が経過している。これだけ経過して安定してなければ、いのりは既にこの世界にはいない』

『…それは…』

『そう。それは、とてもおかしい事だ。それで、考え、いのりの力と気配を探るうちに、ある力を感じた。微量で、ほんの僅かな力だよ。身に覚えがあるんじゃないか?』

濁す、と、言うか…悟らすような言い方にグレンは首をかしげた。

『どういう、意味…だ?』

『身に覚えがあるだろう。彼女の中に眠る、微量の力がなにか』

はっと、グレンは何かを思う。口を閉じ、思ったことを口にした。