『その…』
そ、そうだ!
『あの、ご飯食べたら一緒に龍神様の所にいかない?』
『龍神…様?』
『ほら、川辺の大きい岩だよ?龍の絵が描いてある…って、お父さん?』
お父さんの顔はどこか暗い。おばさんも、どこか不思議そうに目をパチパチと瞬かせている。
え…わたし、何かいけない事でも言ったの?
『あの?』
『あ…いや、ごめん。そんな岩あったかなって思って』
『はい?何を言っているの?だって、小さい頃、よく見に行った…よね?』
『いのりってば、まだ寝ぼけているのかしら?そんなものないわよ。近所にも隣町にもそんな岩があるなんて知らないわ』
そ、そんな…
『いのりってば、随分と長い夢を見ていたんだね』
『夢…』
夢、なの?そんなはず…ない、のに。
そう思いつつも、ない!と断定は出来なかった。いろんな事がありすぎて、私自身わからないのかもしれない。
黙り込む私に、お父さんは追い討ちを掛けるかのように言う。
『そうだ…実は、いのりに言わなくちゃいけない事があるんだ』
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