二重人格神様~金と碧の王~


呟き、私の肩を引き寄せると、そのまま歩きだす。

後ろ髪が引かれるような気分だった。背後から振り向くと、涙を浮かべ泣いている姿がみえた。これで、良かったの?

振られたのは私じゃないのに、どうしてこんなに胸が痛いんだろう。

その理由、なんとなく分かっていたのかもしれない。


前に、私も…グレンさんに拒絶された事があったから。だから、まるで自分のことのように痛いんだ。

そう、黙って考えていた時。

「…行きなさい」

背後から呟かれた声に、さりげなく振り返った瞬間だった。

「あ…きゃ」

背後から力強く背中を押され、廊下に身体が叩きつけられる。


脚に鈍い痛みが走り、周囲を見渡せば、伸びてきた腕が首に回りそのまま羽交い絞めにされる。


何が起こったのか、一瞬、理解ができなかった。



グルグルと脳内で沢山の事が回転し、ふと我に返る。目の前には海鈴さんも同じようにライに羽交い絞めにされ、ぐったりと目を閉じていた。


「か、海鈴さん!」


呼びかけても、返事はない。目をつぶり、力なく横たわる彼。


誰がこんな事をしたかなんて愚問だ。背後を見るとそこには勝ち誇ったように微笑むルーテルさん。


「なにを…するんですか?離してください!いきなり、背後から押すだなんて…海鈴さんは体調が悪いんですよ?!」


「だから、なんですの?その原因は、あなたでしょう?」


「…え?」