久しぶりにこの瞳をみた。綺麗で、吸い込まれてしまいそうになる瞳。
さっきまで、全然目なんかあける気配なかったのに…。どうして…ううん、そんな事どうでもいい。
堪えていた感情が溢れるように視界が歪み、そのまま海鈴さんの身体に抱きつくと逞しい腕に抱きとめられた。
何度こうして触れたかっただろうか。その声を聞きたかっただろうか。その体温を感じたかった。
「海鈴さんっ…」
「いのり、心配をかけてすまなかった」
涙が頬を伝い、私は黙ったまま首を左右にふる。声を抑え泣く私を落ち着かせるように彼は背中を撫でた。
「もう…体調は、いいんですか?起き上がっても、平気なんですか?どうして…急に…全然目が覚める気配なかった、から…わたし…」
「悪かったよ。でも、その話はあとだ。部屋に戻るよ」
「え?」
私の言葉を制し、グレンさんは身体を離すなり足早に掴んだ腕を引き、歩き出す。少し乱暴な行動についていくと、掴まれた手に汗が滲んでいた。
表情もどこかしら暗い。海鈴さん、まだ体調が悪いの?
「あのっ、海鈴さん…?」
「…黙って。早く部屋に戻らないと」
どうしてそんなに焦っているの?普段落ち着いている彼とは想像できないほど何かに焦っているよう。
・


