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「助けて欲しいのなら、助けて下さい。グレン様…そう、言えよ」


真っ暗な闇のなか、僅かな下弦の月明かりに照らされながら彼は私にそう言った



「本当にさー。いつも、いつも…海鈴に助けてもらって…いいご身分だよな。だから、たまには悲願してみろよ」




「…っ」


それは、否定出来ない。だって、事実…私は海鈴さんに何回も助けてもらってるから


けれど…


「それと、貴方になんの関係があるんですか?」


「…は?」


「私は…海鈴さんに助けてもらってるんです…同じ見た目だけれど、海鈴さんと違う貴方に私が悲願するとか関係ないじゃないですかっ!」


海鈴さんに言われるならまだしも、名前も違うし、ただの見た目が同じ彼に言われたくない




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