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その後、グレンさんに連れられ私達は執務室にやって来た。


部屋に入り私の手を離し真っ直ぐに机に向かいイスに腰かける。頬杖をつく姿は少し何かを考えているよう。


きっと先ほどのことかな?話しかけたらまずい、よね?先ほどの事、怒っている顔ではない、と、思う。


立ち尽くしたまま、グレンさんに摺り足で近寄り言う。


「あの、グレンさん?」


顔の筋肉が僅かに動き、頬杖をついたまま私を見上げる。


「なんだよ」


テーブルに転がったペンを持ち、何か書き始めた彼に問う。


「さっきの人…あ、いえ、あの神様は…誰なんですか?なんか、普通の神様とは違う感じがしたんですけど…」


「あぁ、俺も…あいつの事はよく知らない」


「え?」


ペンをおき、私に向かって手招きをする。少し迷いながら近寄ればグレンさんは自身の膝を叩く。



「それよりこっち、来いよ」


「あ…え、えっ!?」


座れって、こと?


「いや、あの、わたし重いので…」