「あ、え?」

ベッドの横に座り、うつ伏せになっている銀色の髪の毛の男性。髪の隙間から見える顔は海鈴さん…いや、グレンさん?


なんで、このような場所で寝ているの?



理解できない状況に記憶をさぐると、夜会でおきたこと、グレンさんに助けてもらったことが頭をよぎる。


そうだ、わたし、気分がよくなくて、グレンさんに運んでもらったんだった。

それで、そのままねちゃったのね。きっとこの部屋にいるのは、誰が運んでくれたんだ。


あ、いや。誰かじゃない。きっとグレンさんだ。運んでベッドに寝かせて...こうやってそばにいてくれたんだ、よね。


彼の気遣いがうれしく、頬が緩んだ。そっと、布団から出て、這い蹲りながらグレンかな?と、思いながら海鈴さんに近づく。


するとベッドが沈み、ギシッと言う音が響くと、彼の身体がわずかに動いた。


「あ…」 

起こしたかな?

そう思うと、彼は唸りながら身体を起こす。


髪が乱れ、それをかき上げると、綺麗な金色の瞳が見えた。

やはり、グレンさんだ。

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