「…ねぇ、いのりさん?」 「え?あ、はい?」 その声は消えてしまいそうなほど小さい声。 わずかに聞こえた声にルーテルさんをみると切なそうに彼女は瞳を細める。 「今から聞くことに正直に答えてくださいな。このような時ではないと、話は出来ないので」 「あ、は…はぁ…」 「海鈴様の正式な花嫁になった噂は事実なのかしら?」 「…え?」 思わず、手からグラスが落ちそうになる。 ルーテルさん、何を言って… 「あ、あの」 「その反応は、やはり本当なのね」 月から視線をはずし、私を見つめた。 ・