手が触れあった瞬間、お互いにお互いの姿が映った。ほんの数秒の時間だったはずなのに、なぜか長く感じ身動きが出来なかった。
まるで、この前、転ぼうとした私を助けてくれた時と同じように。
触れあった手があつくなり、思わずその視線に耐えられなく手を離してうつ向くと、彼はそのまま立ち上がり、集めた資料を私に向かってばらまく。
ヒラヒラと舞う沢山の資料が床に落ちるとグレンさんは歩きだす。
「不愉快」
「え?」
すれ違いざまに、聞こえたら呟き。
「そんなに、拾いたいのなら、1人でやれ。そんなものはいらない。もう一度俺に触ってみろ。ライじゃなく、俺がお前を始末する」
そのまま、グレンさんは振り返らず階段を登り、姿を消した。
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