彼女は今、夢の中

人間はいつもそうだ
昼間は活発に動き回る
そうして夜にだけゆっくり会える

それなのに
その夜でさえも忙しい
会いに来たと思ったらすぐに別の場所へと移っていく
そうしてつぶやく
「今日も会えなかった」と

忘れられた回数も会った回数も、もう覚えていない
俺の気持ちばかりが募っていく

彼女の中に、まだ俺への心は残っているのだろうか

彼女は言う

まるで夢のようなひと時だと


彼女はここを「夢」と呼ぶ
それほどまでに綺麗なものなのか

俺は彼女を知っている
驚くほどに、涙を流すほどにきらきらと輝いている

俺はその間 ずっとここで待っている
彼女の様子が伝わってくる

そうしてたまに顔をのぞかせては、「会いたかった」と漏らすのだ

彼女がここを「夢」と呼ぶように
俺はあっちを「夢」と呼ぼう