人の波が、広場を早歩きで通り過ぎて行く。


ここはバスターミナルから、JRや地下鉄駅までの抜け道となるので、通勤時間は人通りが多い。


無表情なサラリーマン、携帯を見ながら歩くOL、友達とはしゃぐ学生。


毎日同じようなものが、繰り返し通り過ぎて行くのだ。


それぞれみんな、何かに必死なんだろう。


俺はそれを目で追う。これも日課。


「なぁ、ちょんまげの兄ちゃんよ。」



タクランケがニヤニヤしながら話かけてきた。