清々しい早朝、人気のないうちに行動を始める。


ダンボールと敷物を公園内の、木の植え込みの中に隠す。


それからやる、朝1番の仕事は煙草集め。


昨日の夜までに溜まったシケモクと言う名のお宝を、各灰皿を巡り回収するのだ。数ある中から、良さそうなものを厳選していただく。


人目と清掃業者を避ける為に、朝早く行動しなければならない。


自分達の縄張りの灰皿を一通り回ると、30本程が手には入った。上出来だ。


「おっ…めっけ!」

灰皿の横のベンチにある煙草の箱。


週末は酔っ払いのお陰で、置き忘れのまっさらな煙草にありつける事が多い。


「それ入ってんのか?」

「入ってると思う。」



何度も煙草の空箱を見ているうちに、開けて調べなくても中身の有無がわかるようになった。