少し待って諦めかけた時、扉が少しだけ開いた。


「なんだよ、とっつぁん起きてたんじゃん。寒いんだから早く開けてよ。」


「ふん、今日は1日中どこ行ってたんだよ。」


「どこって…いつも通りだよ。」


扉の鍵を閉めながら答える。


「へーえ…。」


とっつぁんが俺に近づいて来た。


「フンフンフン、あれ?酒臭いな~。」


「えっ」


「いいよな~、眼鏡の父さんと酒かよ。」


…見てたのかよ


「フンッ」



とっつぁんが不機嫌そうに、短い腕を組んでいる。