俺達はすぐに着替えて外に出る準備をする。


「うおっ」


とっつぁんが靴下を履こうとして、後ろに転がった。


「とっつぁん!腹出過ぎなんだよ…」


「えへへ、最近食事がいいもんだからな。」


「ったく幸せなこった…行くよ?」


「おお、いいぜ!」


床に敷いたダンボールを持ち、ボロボロの敷物をにぽいと袋に詰め込む。


俺は静かにドアの鍵を開けて、こっそりと外の様子を伺った。

左右確認


…誰も居ない


「行くぜ。」

「おう。」


勢いよく“家”を出る俺達。


そう、ここが俺達の“家”…公園の端ににあるコンクリート・ハウス。またの名を身障者用公衆便所という。



俺達はいわゆる、ホームレスだ。