ようやく屋上にたどり着いて、重たいドアを開ける。 その瞬間に、優しい風があたしの髪を揺らした。 「────あ、遅いぞ!絢芽っ」 あたしに気づいたらしい春希の声に、少し驚いた。 ...今日もいるんだ、花弥ちゃん。 ......今の言葉は、ちょっと感じ悪いな...。 「ごめん、髪の毛とか確認してたら遅くなった」 というのは嘘。 トイレなんて寄らなかった。