春希が花弥ちゃんの名前を叫んだとき、胸のあたりがギュっとなった。 途端に締め付けられる、この感覚。 もう慣れちゃったよ...。 「蒼空、こいつ俺の彼女」 「斉藤 花弥です」 春希が、どこか自慢気に紹介する。 「......」 土屋 蒼空は、ただ花弥ちゃんを見るだけで自己紹介はしない。 「にしてもかっこいいねー、モテるんじゃない?」 「...はぁ」 花弥ちゃんが土屋 蒼空の顔をまじまじ見ながらそう呟くと、土屋 蒼空は重いため息をついた。