「...あ」


歩き出そうと視線を前に向けたとき、思わず声が出てしまった。



土屋だ。



「...」



あいつは、あたしと目が合うとぱっと逸らして、そのまま隣を通り過ぎていこうとする。




「......ねぇ」

「...」