あの日もアサガオが咲いていた。





「ずっと好きだった人でねぇ…すっごい格好よかったなぁ…」




今も覚えてるの。あの時の先輩の姿。

あの時のステージを。


そう言って彼女は懐かしそうに吐息を漏らす。

パパには内緒ね?とウインクを飛ばしてくる母親に思わず頷いた號樹。


ふふふと笑った母は、見たことがないくらい少女の顔をしていた。


正直、去年見たワンステに號樹は興味がなかった。

それほど凄いと感じなかったのだ。


だが母親の浮かべているその表情に號樹は思う。


彼女が見たそれは一体どんなステージだったのだろうか、と。


何十年たった今も尚、自分の母親を思い出だけでこんなふうに乙女にしてしまうそのステージ。

記憶に残り続ける人たち。


それに少しだけ興味が湧いた。