あの日もアサガオが咲いていた。





「さっきこれから電車に乗るって電話があったわよ~すっごく慌ててた!」




貴方のテストの成績早く見たいんじゃないの?とケラケラ笑う母に、うげぇと顔をしかめる號樹。

忘れていた成績表と言う存在に號樹は苦虫を噛み潰す。


和泉原では通知表とは別に数日早く小さなテストの成績表が配布される。

はっきり言ってその中身は自慢できるようなものではない。


別に全く勉強しなかったわけでも授業をサボったわけでもないが、もともと勉強嫌いの號樹である。

良い点数をとった記憶など日頃から殆んどなかった。


本人はあまりそれを気にしていなかったし(高等部にはギリギリ進学できると担任に言われている)、母親も性格上あまり勉強を重視するタイプではない。