〜華乃〜






昨日倉庫裏で見てしまった。



恵ちゃん……相当怒ってたんだね。






まぁ、そりゃそうか。



彼氏が他の女子と笑顔で話してるんだもんね。






そう思ったが、私は休み時間に直人の教室に行った。






恵ちゃんにだけ男に見える魔法をかけて。






これなら大丈夫だ。




「ねぇ、直人！」





「…ま、また来たの……」






おそらく昨日の事があったからか焦って恵ちゃんをチラチラと見ている。





「大丈夫。恵ちゃんには私が男に見えるから」





「えぇええっ？！」





「そういう魔法だよ」







直人はすごく驚いた顔をし、恵ちゃんをまた見た。




すると恵ちゃんはニコッと笑った。






「何で、わかったの？」




「昨日見ちゃったし……心も読め「えぇえええぇぇ？！？！見たのぉぉおお？！？！」







耳がキーンと鳴る。




スーパー大きい声を出し真っ赤になる直人はすごくかわいかった。






「見ちゃいけなかった……かな？」




「え……いや、なんか…」







直人の首筋からは冷や汗がダラダラと流れている。



そこまで動揺しなくても……。






と思った直後、チャイムがなった。






「まっ、またねー！」





いつもの様にカワイイ顔で手を降る直人に、私は笑顔を返した。