「引っ越してきたの?」
ダンボールを拾い集めながらその人は彼女に聞いた。
彼女は今日ここに越してきたことと、エレベーターがあるとこにすればよかったと、ダンボール達を破れたダンボールの代わりに新たなダンボールに詰めながら話した。
まぁそんなことはどうでもいいが。
「そうなんだ。じゃあご近所さんだね。」
そういいながらその人は斜め向かいにある、「こるく」とひらがなで書かれた看板を指差した。
「僕、このバーで働いてるんだ。」
大学生で20歳だというその人は、よくよく見れば店員さんの恰好をしていた。
ゴミ捨て場にゴミ達を置き終え、一息ついていると、
「カナメ~?」
声と同時にお店の扉が開く。
おそらく彼女と一緒にいるであろうその人を呼んだ他の店員らしき人は、2人を視界にとらえると、「ちょっとオーダー溜まっちゃって~」とメガネの奥のいかにも優しそうな目を困らせた。
「ご、ごめんなさい!すぐ行きます!」
その人は慌てて店に入ろうとしたが、振り返り彼女に、
「僕、カナメ。藤沢要。よかったら今度飲みに来てよ。」
そう言ったその人はニコリと微笑み店へと戻っていった。
「あ!お礼言い忘れた!!」
これが彼女、ハルとカナメの出会いだった。
ダンボールを拾い集めながらその人は彼女に聞いた。
彼女は今日ここに越してきたことと、エレベーターがあるとこにすればよかったと、ダンボール達を破れたダンボールの代わりに新たなダンボールに詰めながら話した。
まぁそんなことはどうでもいいが。
「そうなんだ。じゃあご近所さんだね。」
そういいながらその人は斜め向かいにある、「こるく」とひらがなで書かれた看板を指差した。
「僕、このバーで働いてるんだ。」
大学生で20歳だというその人は、よくよく見れば店員さんの恰好をしていた。
ゴミ捨て場にゴミ達を置き終え、一息ついていると、
「カナメ~?」
声と同時にお店の扉が開く。
おそらく彼女と一緒にいるであろうその人を呼んだ他の店員らしき人は、2人を視界にとらえると、「ちょっとオーダー溜まっちゃって~」とメガネの奥のいかにも優しそうな目を困らせた。
「ご、ごめんなさい!すぐ行きます!」
その人は慌てて店に入ろうとしたが、振り返り彼女に、
「僕、カナメ。藤沢要。よかったら今度飲みに来てよ。」
そう言ったその人はニコリと微笑み店へと戻っていった。
「あ!お礼言い忘れた!!」
これが彼女、ハルとカナメの出会いだった。