「まぁ、なんとなく?みたいな」

「なんとなく、で死ねるの?」

「さぁね。まだ理由があるんじゃない?」

「自分のことなのにわかんないの」

「それはお前にも言えることだよ」

はて、なんのことか。

「自分の事を理解しているようでしていない。しようとも思ってない、ということすら全然わかってない」

「わかってるはずだけど」

「ほら、やっぱり。わかってない」

どうした私。なんかイライラしてる。

なんでイライラしてるの。

「全然見てないんだよ、お前は。なにもわかってない」

「...そんなこと、」

「全てわかっている"フリ"をしているだけ。」

いや、ちゃんとわかってるに決まってるだろ。

自分の事なんだから、誰よりも自分のことは。

「いい加減気付けよ、柚(ユズ)。」

「...っ、そんな...」

「柚、もう充分逃げただろう?」

「...んな...な...えで...っ」

「......柚」




「そんな名前で呼ぶなっ!!!」




あれ、なんで私怒ってんだ?

「...やっぱりな。」






意識が遠のいていく。

私なにしてんだろう。

完全に意識が切れるまで、思ったのは自分への疑問だった。