気付けば朝だった。

昨日帰ってからなにしてたんだっけ、と疑問になった。

玄関までは覚えてる。

…きっと寝てないから玄関で寝てて、このベットまでお母さんが運んでくれたんだ。

お礼言いに行かねば。

手ぐしで髪をとかし、新しい服に着替える。

どうやらそのまま寝ていたらしい。

着替え終わり、リビングへ降りていった。

「あら、おはよう」

「おはよう、お母さん」

お母さんはコーヒーを飲んでいた。

「ご飯作ってあるから食べよう、柚」

「ありがとう」

お母さんの目の前に座る。

そこに食事があるからだ。

向い合わせで、二人揃って「いただきます」と言うのは毎日の習慣。

もぐもぐといつものように食べる。

「あ、お母さん」

「なぁに?」

柔らかく笑うんだよな、この人。

「昨日、部屋まで送ってくれてありがとう」