「ただいま、お母さ………っ」

柊のお母さんに送ってもらい、家に帰ってきた。

ただいまと言いながらリビングに入れば、誰か知らない人が。

ポケットに入っていた拳銃を即座に取り、ソイツに向ける。

「柚やめなさい…!」

急いで近付いてくるお母さんを無視して、男から目を離さない。

「誰、この人」

「今話するから、それを仕舞って!」

必死になって止めてくるお母さんに従い、"とりあえず"仕舞った。

「…で?お母さん、コイツは誰」

「君が柚ちゃんだね。初めまして、僕は小野寺 一志(オノデラ ヒトシ)と言います」

お母さんに聞いたはずなのに、男が笑顔で答えた。

「…初めまして。釘宮 柚です。」

無表情で返した。

すると男は真剣な顔つきになる。

「柚ちゃん、単刀直入に言うよ。僕は君のお母さん…美佳さんと結婚したいんだ」

「一志さん…!」

「…」

早すぎないかとお母さんが男へ寄っていった。

私は相変わらず無表情。

結婚?コイツが?お母さんと?
そうなったらコイツが私のおと…

「……!!!」

気付いたら男の胸ぐらを掴みあげていた。