「なぁ、お前らに名前とかあるの?」

できれば知りたいのだが。

そう付け足した。

「あるよ。僕ら一つ一つに、名前。」

「...お前は何て言うの」

「僕?僕はシンだよ。"僕の"性別は男。」

「...中身が性別ごと違うってか」

「その通り」

ふぅん、そんなのあるのか。

てかこいつヘタレだけど、いいやつなのかな。

「基本人格のあの子はレイ。女の子だよ。...本名はそれぞれだけど、他人がいる前では柚って呼んで。」

「わかった。」




本物の柚にはもう会えないのかな。




壊れるくらい大好きなのに。
壊したいくらい、愛してるのに。