訳もわからず、あたしも泣いていた。 柚の前で泣くなんて、いや、人の前で泣くなんて初めてで、なんか嫌だ。 でも柚も泣いてるし、気にはならない。 ぶっちゃけ嫌だとか考えてる脳の空き場所なんてなくて、疑問だけが頭を支配している。 答えがほしくてたまらない。 質問の答えが。 「なぁ、柚...答えてよ」 「...、っ...」 柚は、誰? お互い初めて人前で泣いていた。 訳もわからず泣いていた。 外はもう、明るくなり始めていた。