記憶喪失Girlと浮気性Boy



歩道橋を降りてまたのんびりと歩きだす。


横断歩道を、さっきの親子が渡っていた。


私も続けて渡る。


「--うか!---悠華!」



半分くらい渡った時、唐突に名前を呼ばれた。


誰に呼ばれたのかなんて振り返らなくてもわかる。


あぁ、私はまだ彼が好きなんだ。


振り返って、"彼"を見る。


嬉しそうな顔をしている彼だから、きっと私が振り返らないと思っていたのだろう。