雷獣は猫がお好きなようです

だがいつまで経っても大声が聞こえない。というより声自体が聞こえない。




「…蘭くん?」




恐る恐る携帯を耳元に近付けて電話の相手に話しかける。




「はぁ~…、ただの寝坊か。何かあったのかと思った…」

「ごめんなさい…。心配かけて…」




蘭くんは本当に心配していたようで、力が抜けたように息を漏らしていた。




「いや、お前に何もなかったならいい。でも朔妃が寝坊なんて珍しいな」

「あ~…、目覚ましセットし忘れちゃって…」

「…なるほどな。今日も自習だし、慌てずに来いよ。お前おっちょこちょいだからな」

「失礼な!あ、そうだ。授業っていつあるの?」

「ん?授業は基本的にねぇな。試験前にちょっとやるぐらいだ」




試験なんて朔妃には問題ないだろ?




蘭くんは落ち着いた声で話す。
授業がないって不良校の特権なのかな?不良校ってみんなそんなものなの?




「不良校全部が授業がないってわけじゃねぇぞ?恐らくうちの学校だけだ」




あたしの考えを読んだのか、蘭くんが言った。




「ふぅん。まぁ、いいや。今から準備して行くね」

「あぁ、待ってるな」




蘭くんのその声を最後にあたしは電話を切った。