雷獣は猫がお好きなようです

「蘭、暑いから離れてくれ」

「朔妃~、黎士が冷たいこと言う!!」




黎士は冷静に突き放すと、蘭くんはあたしに泣きついてきた。




「えっと…」




あたしが戸惑いながら頭を撫でようとすると、




「蘭のことは放っておいて構わないよ」




と黎士から返ってきた。




「相変わらずだな、お前は」

「蘭も相変わらずうるさいね。…何か食べたいのはあるかい?」

「え?…メニューとかありますか?」

「黎士は基本何でも作れるからさ、好きなの頼めよ」

「えっと、じゃあオムライスとか、いいですか?」

「もちろん。蘭はカツ丼でいいのかい?」




黎士は腰に黒のエプロンをつけると、カウンターを出ながら振り返る。




「あぁ。勝手にコーヒー作るぜ?」




言いながらカウンターに入る蘭くんに構わないよ、と言うと黎士は厨房に消えていった。




「黎士が戻ってくるまでコーヒーでも飲むか。朔妃は紅茶だよな?」

「うん、アールグレイね」

「任せとけ」




蘭くんは着ていた上着を脱いでワイシャツの袖を捲ると、コーヒーと紅茶を作りだした。