雷獣は猫がお好きなようです

助手席に乗り込むと車を発進させる蘭くんに訪ねた。




「蘭くん、どこ行くの?」

「ん?俺のお気に入りの店」




洸心もよく通ってた店だ、と言って口角を上げた。




洸心っていうのはあたしの兄さんの名前。




「兄さんも通ってたの?楽しみだなぁ」




あたしは目を閉じて今はパリにいる兄の姿を思い浮かべる。
兄さん、元気かなぁ…。
兄さんと離れて少ししか経ってないのにもう会いたいよ…。




「着いたぞ」




目を開けると、駐車場の少し先にひっそりと建つ店があった。




看板にはAliceと書かれてる。




「アリス…?」

「イタリア語でアリーチェと読むんだよ」