雷獣は猫がお好きなようです

靴箱で革靴に履き替えると校門の外で蘭くんを待つ。




パッパーッ




車のクラクションと共にこちらに近付いてくる黒のポルシェ。
校門の前に止まると、助手席に乗り込む。
蘭くんと二人のときは必ず助手席に座る。あたしの特等席みたいなものだ。




「デパートなら大抵の物は揃ってる。まだ買ってないものとかあるんじゃねぇの?」




運転する蘭くんはなんだかカッコいい。
真剣な目とかハンドルを切る手捌きとかに目がいく。
恋愛対象としてじゃないけど、二人目のお兄ちゃんみたいで好きだ。




「うん、結構ある。食器とか調理器具とか一杯」




頭に記憶したものを引っ張り出す。




「じゃあ食器の方から行くか」




デパートの駐車場に車を止めると助手席のドアを開けてくれた。




「ありがと。なんか蘭くん紳士だね」

「あ?俺はいつだってお前の紳士だろうが」

「クスクス、そうでした」




蘭くんは昔から他の皆には態度が悪いのに、あたしには紳士みたいに優しい。
兄さんも前はかなり文句言ってたけど今は諦めてる。