「…優真がみんなのご飯作ってるの?」

「ん?あぁ、放っといたらこいつらいつもコンビニ弁当だからさ」




そんなんじゃちゃんと成長しないよな?と苦笑しながらあたしに同意を求める優真。
玲衣をはじめとした優真達は全員平均に比べれば高いほうだ。




(……これ以上どこを成長させろと?頭?頭なの!?)




「朔妃ちゃんも食べてね。いっぱいあるから」




味には自信あるし。と続ける優真にあたしはきんぴらごぼうに箸を伸ばした。
優真からもらった紙皿に乗せ、少量口に運ぶ。




ピリッとした辛みと甘みが口の中に広がる。
味も濃くなく、それでいて薄くもない。
とても優しい味だった。




「美味しい!!優真って料理か何か習ってたの!?」




どうやったらこんな味が出せるのだろうと興奮したあたしはキラキラした目で優真を見た。




「ん、習ってた訳じゃないけど、父親が料理人でね。小さい頃からそれを見て育ったからじゃないかな?」




ちなみに母親はパティシエールだよ、と優真は笑いながら言った。