扉のすぐそばの壁に寄りかかり、茶髪に緑のカラコンが似合っていて、パソコンを膝の上で開いている如何にもインテリ系な男の人。しかも、イケメンの部類に入るくらいカッコイイ。




「こんなところに、何の用ですか?」

「風に当たりたくてここに来たんだけど」




立ち入り禁止だったのかな?と続けた。




あれ?でも立ち入り禁止ならこの人も入れないはずだよね?




「いえ、立ち入り禁止というわけではありませんが、ここに来れる人は限られているんですよ。あなたも知っているはずですよね?」

「そうだったんだ、私知らなくて…。じゃあ、ここには来ないほうがいいね」




(あ~ぁ、折角いい場所見つけたのになぁ。他にいいところあるかなぁ。あ、薫に聞いた方が早いかな?)




ガッカリしながら屋上を出ようと扉に足を向けたとき、扉の向こうから二人の男の声が聞こえた。そのうち一人の声は聞き覚えがある。