雷獣は猫がお好きなようです

ピリリリリ...ピリリリリ...




女が去った公園に響く無機質な着信音。




ディスプレイには"優真"と表示されている。




ピッ




受話器のボタンを押して携帯を耳にあてる。




『玲衣、今どこにいんだよ』

「公園」

『公園?ケンカか?』




電話の相手である優真は呆れたような声をしていた。




「あぁ。あと、面白い女に会った」

『女ぁ?どんな女なんだよ』




女、と言った瞬間、優真の声が低くなった。




「これまでの女とは違うやつ」

『…お前がそこまで言うなんて珍しいじゃねぇか。探すか?』

「いや、いい。すぐに会える気がするからな」




あの女を思い出しながら話す俺の声は自分でも驚くくらい穏やかだった。




『っ!…そうか。倉庫に戻ってくるか?』




優真も驚いたらしく、声を少し詰まらせた。




「いや、真っ直ぐ帰る。それと、ここに倒れてるやつら拾って届けといてくれ。どっかのチームのやつらだろうからな」

『わかった。また学校でな』

「あぁ」




その言葉を最後に電話を切った俺は何気なく空を見上げた。




満天の星空に浮かぶ月が俺を見下ろしていた。