「よぅ、雷獣」




子供にも人気がないような公園で俺、東城玲衣はベンチに座って煙草を吸っていた。




その俺にニヤニヤと笑いながら声をかけてきた男達。




雷獣とは、俺の通り名だ。
俺は全国No.1暴走族の鳴神の総長をしている。
鳴神は雷。そして獣のように暴れることから雷獣らしい。




その俺のことを知っていて声をかけてくるってことは余程のバカか、命知らずだ。




「一人か?ラッキーだな、俺達ついてるぜ」




どうやら前者のほうらしい。




(メンドくせ…。こんなバカ共相手にすんのかよ…。はっきり言ってメンドくせぇ……)




俺は煙草の火を消して立ち上がる。




それと同時に一番俺の近くにいた男を殴り飛ばした。




力が強かったのか、相手が弱かったのか殴った男は気絶していた。




(弱ぇ…、この程度で俺に勝てると思ってたのかよ…)




「てめっ!!雷獣!!」




仲間がやられて怒ったのか、他の男達は一斉に襲い掛かってきた。




「おらぁぁあ!!」




殴りかかってくればその拳を避けて鳩尾を殴り、




蹴りかかってくれば腕で受け止めてそいつの背中に膝蹴りを喰らわせる。




それを繰り返していると、相手の人数は5人に減っていた。