「きっと会えるよ…。あたし、そんな気がする」




あたしは自分の思ったことを口にすると、名前は?と聞いた。




「…今度会ったら、教えてやる」

「今度?」

「あぁ、また会える気がするんだろう?」




男はあたしを掴む手を離すと立ち上がって不敵に笑った。




「…!そうだね、じゃあ、またね」




一瞬驚いたあたしはすぐに嬉しい気持ちになり、微笑んだ。
そして帰るために公園の入り口に向かう。




「…雷獣」




あたしが数歩歩いたとき、後ろから男が言った。




「…雷獣?」

「他のやつらからはそう呼ばれてる」




(雷獣…)




あたしは心の中で呟いた。




「雷獣ね、わかった。じゃあまたね」




そう言って今度こそあたしは公園を出た。




マンションに戻って部屋に帰ると、寝室に入りベッドにダイブした。




今日はちょっといいことあったなぁ…
兄さんはパリで何かいいことあったかなぁ…




(あぁ、そうだ…。今度兄さんに今日のことを話してあげなくちゃ……)




そう思いながら私は眠りに落ちた。