「……ねっむ…」

目を擦りながら、ゆるゆると起き上がる。

私はこの瞬間がとても嫌いだ。


今の今まで熟睡していたのに、いきなり眠りを破られていささか気が立っている。

そのなかで、夜通し温められた布団から抜け出すのは至難の技だ。



「……つまらんこと考えないで準備するか」


飛躍しそうになっていた思考をぐしゃぐしゃに丸めて、洗面所まで顔を洗いに行った。