外村竜。

俺はこの春から秀英高校の一年生になった。


何故この高校を選んだかというと、無難に家から一番近かったからだ。

偏差値も普通、大して新しい校舎でもなく、校則もキツくない。

つまり秀英は、総じて平凡な奴が行く高校な訳である。


「ちょっとちょっとー。相棒がそんなに暗いと俺やりにくいじゃーん。
もっとテンション上げなよー」

「俺のテンションが至って普通なんだよ。お前はもちっと下げろや」

「オイオイ。お前なぁ、俺からハイテンションを取ったら何が残るっていうんだ」

「ただのアホだな」

「正解だ」