我が家の家庭事情




朝の校門での出来事だ。


『オイそこの!白いラインは一年か。何だその髪は!』


言わずもがな、これは本間の声だ。
ちなみに白いラインとは、俺たちの制服のネクタイの線のことだ。

一年は白、二年は青、三年は赤。

ネクタイを一目見るだけで、学年が分かってしまうわけだ。


奴は振り返った俺を見た瞬間、目をつり上げて睨んできた。


朝から最悪だ……と思うのも無理はない。



何故ならこの人の説教は長い上にしつこいからだ。




『ふざけた髪色をしおって!お前みたいなヤツが将来ろくでもないヤツになるんだ』

……ふざけた髪色?


『チャラチャラ身だしなみにばっかり時間を割いてる暇があったら、英単語のひとつでも覚えたらどうだ』

俺、新入生テスト英語は学年一位でした。


『何だその反抗的な目は!』

眠ぃんだよ。


『態度も格好もふざけたヤツだな!その髪、明日には戻してこい!』

……………………………。



『……地毛なんだよこの髪はこのクソ反面教師が!』

________……。