そして私は気がついた。 この時になってようやく、はっきりと気がついたのだ。 今までだって散々な目にあってきた。 理不尽な思いもたくさんした。 痛い思いもたくさんした。 だけどどこかで捨てきれない思いがあったのだ。 “きっとこれ以上はありえない” と。 もう一生分の苦しみを、悲しみを、憎しみを蔑みを味わったと。