裏庭を強い風が吹き抜けた。 だから、時間が止まっていないことがはっきり感じられた。 でも、 『な、に言って……』 『うっそ、ありえない! 由奈ちゃん最悪!!』 友達は怒ったようにベンチから立ち上がった。 『でも、無理矢理聞いたのはわたしだし、 一概にそうは言えないよ』 あっちゃんは大人ぶった口調で言った。 顔の表情は、校舎の影が邪魔してはっきりとは見えなかったけど、 『……わらっ、てる……?』 私には、そう見えた。