泣いているあたしを抱きしめてくれた。

自分だって両親を二人一気になくして、悲しいはずなのに。

助けられた弟だって、怪我をしているのに。

あたしを慰めてくれて、

パパには、謝ってお礼を言って、

パパは何も言わなくて。

あたしは、その姿が、目に焼き付いている。

それが、薫だって何で気がつかなかったんだろう……。


「なぁ、自惚れていいか?お前がずっと俺のこと想っててくれてたって」

「想ってたんじゃないよ……」

今でも好きなんだよ。

ベースに一生懸命なところとか。
本当は優しいところとか。

「好きだよ。薫のこと。いつの間にか、わかんないけど、好きだよ…」

こんなところで告白するとは思わなかった。


でも、告白して良かったかもしれない。

「…俺も、好きだ。」

え…?