for U〜名のない歌〜


俺は楽譜に気を取られていて、ルナが近づいてきたことに気づかなかった。

「薫、話があるの。」

よくみると、見たことがあるルナの顔。

それは、知っているからとかではなく、

ずっと昔、俺がまだ小さい頃、見たことがある気がする顔。

懐かしい、顔。

そんなことを思い出しながら、俺はルナに、頷いた。

「ここで話せないの。何処か二人きりになれる場所はない?」

そう言われて、とりあえずリビングから出る。

確実に二人きりになれるのは…


「俺の部屋か、ルナの部屋、あとは、作曲室くらいじゃねーか?」

作曲室。

新しく作られた部屋。

ルナのキーボード、ギター、ベースに、俺のギターがおいてある。

「作曲室、にしよ。」

作曲室は二部屋ある。

俺とルナ専用。

それから、他のメンバーの。他のメンバーはアレンジがほとんどだからあまり使わない。

ルナは作曲室へと歩いて行く。