for U〜名のない歌〜



「その時思ったの。ぁ、このバンド好きだなって。あたし、ファンになっちゃったの。」

まるで、このあともう会えないかのように、ルナは語る。

「いつかまた、fly awayが、聞きたいって必ず言う。だから、その時は特等席で、佑月の歌で聞かせて。」

その言葉に俺は違和感を覚えた。

ルナはいつか、自分がここから去ることをわかってるのではないか。

そう感じるしかなかった。

でも、他のメンバーは何も感じなかったようで。

「いつでも、聞かせるよ!ねぇ、佑月!」

「うん、一曲なら俺も歌えるしね。」

あの鋭い佑月さえ気がつかないなんて…


もしかして、俺の思い違いなのだろうか…


「うん、ありがと。」

ルナはそう言った。


「あと、みんなこれ新曲。」

ルナは、曲を作って欲しいと頼まなくても、作る。

最近すごく曲が増えた気がする。

「練習用、だけどね。」

確かに、そんなに難しくない。

二、三回練習したら、すぐに合わせられそうだ。