for U〜名のない歌〜


「カラ元気じゃないよっ!」

そう言って明るいテンションを保ちながら、あたしたちは学校へと向かう。

「おはようっ!」

服飾部の部室はやはり、綺麗。

ミシンは必ず端にまとめてあり、作りかけのものは完成品とは別に、自分のロッカーに入れ、アイロンは教卓にすべておいてある。

うん、いつ見ても惚れ惚れするね。

この綺麗さ。
一年前とは大違い。

入ってきた当初は足の踏み場もなかった。

「今回は、ワンピースを作って欲しいな。」

試作品。
それはあたしが何を作るのかを決める。

ワンピースを作って欲しい理由は、来年フランスに持って行くため。

父親に、日本の服も、すごいことを伝えたい。

「りょうかい。できたらまた連絡する。」

これであたしの仕事はおしまいだけど…


あたしもデザインして見たい……。
「あたしもデザインしていい?」

その言葉に律と心は驚いた顔をしてから頷いた。

いつもの部長席に座り、紙を取り出す。